夜勤の方には睡眠障害が多い

昔、夜勤の代表職の一つと言えば、看護婦さんでした。夜中に患者を看病して尽くす白衣の天使などと呼ばれて人気があったのではないでしょうか。しかし、夜勤というのは実際にはとても厳しい仕事です。24時間社会となった現代では、夜勤は珍しくはなくなり、その勤務形態もますます多様化しています。

名称についても、夜勤・交代制勤務・シフトワークと言ったりして、その多様化が言葉にも表れているようになっています。しかし、これらの職業では、人間のもつ生体リズムに従った自然な生活を送ることがどうしても出来ないので、夜勤・交代制勤務を行っている方は、不眠や睡眠不足で体調を崩す人が少なくなく、問題となるケースが耐えません。

夜勤では、どうしても睡眠不足気味のまま働くケースが多くなるので、体内リズムが崩れ、自律神経系やホルモン分泌系に異常をきたすようになります。そうすると、単に睡眠障害というよりは、様々な形の疾患となって現れてくる場合があります。人によってはうつ病に発展する場合もあります。

また、夜勤を行っている場合は、どうして日勤に比べて事故が発生する確率が高くなります。なぜなら、体内リズムに逆らって身体を動かすわけですから、眠けに襲われたり、集中力を維持するのが難しくなるからです。その結果、作業ミスや過去には大事故につながった例があります。夜勤中の事故で有名なのが、アメリカのスリーマイル島の原子力発電所事故や、旧ソビエトのチェルノブイリ原子力発電所の事故です。

不眠や寝不足、睡眠障害によって、ちょっとした作業ミスでも、このように取り返しのつかない大事故になることを考えると、夜勤や交代制勤務の労働環境のを十分に整備することは大変重要であることがわかります。

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