うつ病には光療法が有効

現在の日本社会には、様々なストレス、不眠、厳しい社内人間関係、夜更かし等々が重なって、うつ病が蔓延しています。ある調査にようると、うつ病にかかっている患者は約360~600万人といわれています。そして、唖然としてしまうのは、子供の世代にまでうつ病が蔓延していることです。また、13歳以下の子供の10%、幼児の5~10%がうつ病という報告もあります。

うつ病の主な症状は、体験した人にしかわからないといわれる程深刻だそうですが、全身がだるく、疲労感があり、とにかく何もやる気が出ないというのが一般的です。また、頭痛、目まい、動悸、イライラ感など、自立神経系やホルモン系のバランスが崩れて、さまざまな症状が併発して起きる場合もあります。そして、ほとんどの人に睡眠障害が起こるということです。そして、行政もこの事実を重視して、うつ病と不眠(睡眠障害)は相関があることを明言しており、積極的に対応しようとしています。

うつ病の発症プロセスは年々明らかになりつつありますが、有力なのは、セロニンなどの脳内の神経伝達物質が上手く機能しなくなることに起因するというものです。最近、強い光を浴びるとセロトニンが多く分泌されるという報告があり、光を浴びてうつ病を治療するアプローチが注目されています。

そのため最近では、光療法によって概日リズムを改善し、それによって生体リズムを改善してうつ病を治療するという方法が認められるようになってきました。光療法とは、起床時に強い光を浴び、更に、必要量の光を午前中や午後に浴びることで体内リズムをととのえて、セロトニンの分泌量を増やして回復させようというものです。

光療法を受けた人の中には、気持ちが晴れ晴れとして元気になり、そのうちにうつ病もだんだんとよくなる方もおられるようです。しかし、光療法を受けても変化が無い方もおられることも事実なようで、光療法がうつ病に万能というわけで決して無いようです。しかし、特に、軽いうつ病の時期には、光療法の効果が出やすいという報告もあるので、症状が軽い内に試してみる価値はありそうです。

日本では、ブライトライトMEという光療法用の高照度照明器具が多く使われているようです。また、医療機関向けの光療法器具としてはブライトライトME Proがあるそうです。

関連情報: 
冬季うつ病と高照度光療法

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