睡眠障害のなかで、めったに聞かない症状として、睡眠時遊行症というものがあります。「夢遊病」と言い換えると、聞かれた経験を持たれている方が比較的多きかも知れません。
とても深いノンレム睡眠の時に現れ、入眠してか1時間前後に認められます。夢遊病という名前の通り、寝たまま行動する症状です。小児の10%以上に現れるという報告もあります。発症する年齢は4歳~8歳くらいで、ほとんどが思春期までには見られなくなります。
基本的には心配する必要はないのですが、てんかんなどの他の疾患による場合もあるので注意が必要です。問題は、幼稚園や小学校の外泊時に、事故を起こさないよう注意する必要があります。
対処法は、寝ている状態なのですから、そのまま上手く布団に戻してあげることです。遊行していても、起こさないようにして布団に戻してあげれば、そのまま朝まで寝てしまいます。
睡眠時遊行症は、病気のような名前が付いているものの、正常範囲内の症状なので、症状を抑えるような薬はありません。抗うつ薬で症状が抑えられた、という報告もあるようですが、これといった薬はありません。病気ではないのですから、そもそも薬は必要ないですね。
そうはいっても、勝手に夢遊されると危険が伴いますから、症状が現れる時間がだいたい決まっている場合は、その15~30分前に強制的に起こすことをすると、治る場合もあるそうです。