皆さんは夢を見ますか?私はほとんど見ません。しかし、人によっては、毎日のように夢をみて、それも内容が悪夢ばかりで、それになやまされて困っている人がいます。「悪夢」自体は、医学的に解明されていませんが、悪夢が続いている状態が、健康な睡眠状態ではないことは、だれが考えても想像がつきますね。
夢は誰でも見ています。しかし、実際にその内容をハッキリと覚えている方は少なく、断片的であったり、ストーリーが支離滅裂であったりします。ところが、悪夢の場合は覚えている場合が多いので、悪夢ばかり見ていると感じる方もいるようです。
うつ病の方の中には、悪夢を見るという方が比較的多く見られます。しかし、連続的に悪夢をみていても、不思議なことに病気であると判断されません。このあたりに、医療と患者のギャップがあるようにも思います。患者の側からい見れば、何か自分の頭の中に異変が起きているように感じても不思議はありません。睡眠の質がわるいのか、他の要因かはわかりませんが、健康な状態で悪夢ばかりを見て苦しむ事がないのは事実です。
悪夢の原因は、精神的なストレスやトラウマがある場合にレム睡眠が通常より増えている時で、その割合は、5~10%程度と報告されています。悪夢を見ない人から見ると、5~10%程度というのはかなり多い数字のようにも見えます。
睡眠全体の中にレム睡眠が増えてくる原因は、生活面に問題がある場合もあり、精神的なものだけに限定されるわけではありません。簡単な例としては、寝室の温度や湿度が適していなかったり、生活のリズムが乱れている時などです。しかし、これといった原因が見つからない場合がほとんどです。
それでは、悪夢対策というのは何なのでしょうか?
原因が精神的な場合は、精神療法をためすことになります。また、睡眠薬も一つの方法で、ノン・レム睡眠を増やしてレム睡眠を減らす効果があるので、夢をみる機会を減らしてくれます。ただ、睡眠薬の場合は、精神療法と違って対症療法なので、原因を見つけて解決していく努力を怠らないようにしないと、いつまでも睡眠薬に頼らざるを得なくなるということはしっかりと頭に叩き込んでおく必要があります。