睡眠障害というと、睡眠不足や不眠と連想してしまいがちですが、実は、その反対に眠くなってしまうという病気があります。もちろん睡眠不足で眠くなるのではありません。過眠症といって、ナルコレプシーと英語のままいわれることもしばしばです。
過眠症の症状の特徴は、昼間でも突然、強い眠けに襲われ、我慢できずに眠り込んでしまう睡眠発作的なものです。仕事中や授業中にとても眠くなることは、誰でも経験することですが、その眠気が耐えられないほど強くて我慢できなかったり、頻繁に発生するようであれば、過眠症の可能性があります。
また、発作的な眠けだけではなく、副症状もあります。その代用的な症状は、情動脱力発作と言って、怒ったり笑ったりすると、体中から力が抜けてしまって倒れこむことがあります。発作的眠けに加えて、情動脱力発作が何ヶ月か継続する時は、過眠症の可能性は更に高くなります。過眠症による副症状には、情動脱力発作以外にも、睡眠麻痺、入眠時幻覚、自動症、夜間の熟睡困難という症状があり、とても複雑な症状を呈する病気です。
過眠症は、ほとんどが確実な原因が分かっていません。しかし、なりやすい傾向として、遺伝的な体質と、精神的ストレスなどが重なると起きやすいようです。また、身体的ストレス、たとえば、睡眠不足が長く続いたとき、手術後、頭部に外傷を受けた時などの直後に発症することがあります。
過眠症の対処法としては、体内リズムを整えて、質の良い深い睡眠を取ることが大切です。もし、発作的眠けや、情動脱力発作が続くようであれば、睡眠外来を受診することをお薦めします。