睡眠の役割は休養と生命エネルギーの生成

さて、睡眠障害の影響や睡眠の種類について見てきましたが、そもそも睡眠自体のしくみとはどうなっているのでしょうか。これについて理解を深めてみたいと思います。

睡眠は、脳の中にある「生体時計」がコントロールしています。この時計により、自然と夜になると眠くなって、朝になると目覚めます。これはあくまでも、健康な人の場合で、睡眠障害に陥っている方の場合は、このような規則正しいリズムを刻めなくなります。

また、睡眠リズムは、身体の深部体温、つまり、脳や腸の温度でも確認できます。新部隊音は、明け方に最も体温が低くなり、昼間に上昇していき、夕方にかけてがピークやってきます。そしてそれから徐々に下がりだして、自然に眠くなってきます。このように、人間は、生体時計の働きや深部体温のリズムをもっており、そのリズムに合わせて心身が同調して、眠くなったり目覚めたりするのです。

人間は、睡眠なしには生きられません。睡眠自体に生きるための働きが託されているからです。それでは、睡眠はどのような役割をはたしているのでしょうか。いくつの項目にわけて見てましょう。

  1. 睡眠をとると、体と脳の両方が休みます。また、深い睡眠の間には、成長ホルモンが集中的に分泌されたり、必要なホルモンが蓄積されたりします。
  2. 睡眠は、脳の過熱を防いでいます。脳は、加熱すると休まらないのです。たとえば、お風呂に入ると深部体温は上昇し、入浴した後は入眠しやすくなります。 そして、その時生じる脳の過熱は、深部体温をさげることで防いでいます。睡眠のなかでも、最も深い睡眠である徐波睡眠という状態では、深部体温を大きく下げる働きがあり、脳を休めることができるのです。
  3. 睡眠は、活動するためのエネルギーを保存しています。起きている間は、体の中の物質を酸化・燃焼させてエネルギーをつくり出して心身を活動させているわけですが、睡眠中は、睡眠中はその作用を抑えてエネルギー源を保存しています。

睡眠は、ざっとこのような活動を行っているわけですが、これらを十分にやり遂げるためにはどの程度の睡眠時間が必要なのでしょうか。先程も、前節でも睡眠時間の話が出ましたが、これは人によって様々です。睡眠時間の長さに関わらず、日中眠くなくシャキッとしていて、夜の睡眠では上記の活動ができるような深い睡眠が得られるのであれば、睡眠時間そのものをそれほど気にする必要はありません。

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